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 人工透析を受けていらしゃられば障害等級2級です。
 直ぐに障害年金を請求しましょう‼
 
人工透析
  
腎臓病には多くの種類の病気があり、それぞれ症状や経過が異なります。
慢性の腎臓病は、発病しても急激に悪化しなくゆっくりと症状が進行していきます。
そのため病状が末期近くになるまで自覚症状が現れないのがほとんどのケースが多いです。
慢性の腎臓病には慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化症、多発性襄胞腎などがあります。
多くの場合は、腎臓の機能が果たせなくなる腎不全に進行していきます。
治療法には、薬物療法、食事療法、血液浄化療法等があります。
腎不全に進行した場合には、
日本では血液浄化療法である血液透析療法を選ぶ患者様が圧倒的に多くいらしゃいます。
一般的な人工血液透析の場合、透析を行う医療機関に通い、1週間に2~3回程度、約4時間以上かけて人工血液透析を行っております。
 このため、
 患者様のお体の負担も大きいですが、経済的な負担も大きいです。
 
障害年金の受給を検討してみましょう!!
 
人工透析を受けている方
 
人工透析療法施行中のものについて、原則として次のように取り扱います。
 
ア、人工透析療法施行中のものは2級と認定します。
なお、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、長期透析による合併症の有無とその程度、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定します。
 
イ、障害の程度を認定する時期は、人工透析療法を始めて受けた日から起算して3月を経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)とする。
 
人工透析を始めた方は、すぐに障害年金の請求の準備に取り掛かりましょう。
 
 
◆ 受給後の次回診断書提出年月
更新の有無やその時期については、認定が傷病の特性や認定基準をもとに障害状態が変動する可能性の程度によって決定されます。
 
◇永久認定➡障害の状態に一定の固定が認められ審査不要となります。
 
◇有期認定➡定期的に診断書等を提出してその都度障害の状態を審査します。
              
◆人工透析についての有期認定
・以前は2~3年の有期認定でした。
・平成23年2月以後からは、受給者の負担軽減の観点から次の様になりました。
人工透析施行者で合併症がなく、症状が安定している場合 ➡ 有期年数を5年に延長
 
70歳以上で引き続き人工透析を行っている場合 ➡ 永久認定(診断書不要)
 
なお、お一人お一人様によって症状が違うため、個々の症状に即して判断することになりますのでご注意下さい。(厚生労働省年金局事業管理課障害認定企画係)
 
2、初診日
 
腎臓疾患は、初期においてはいろいろな症状が現れます。蛋白尿、血尿、むくみ(浮腫)、高血圧、尿量の変化などです。そのため、近くのクリニックの眼科、皮膚科、泌尿科、心療内科等に行かれます。初期の段階ではほとんど自覚症状がなく、後日検査で初めて分かる場合が多いです。違う医療機関で腎疾患と判明することもあります。
 
例えば、尿が近くなり、ちょっと不安もあり一応内科に診て頂いたが、薬を10日分いただいただけで病院に行かなかった。その後、疲労がたまり過ぎ最寄りの内科に行った。その内科で泌尿科を受診するよう言われ、泌尿科で慢性腎炎と診断を受け、人工透析に至った。
初診日はいつでしょうか。初診日は直接腎臓の治療を目的として診察を受けた医療機関ではなく、上記の場合、一番最初に医療機関を受診した日内科が初診日となります。
腎疾患と糖尿病は相当因果関係がありますので、腎臓疾患を指摘される前に糖尿病で医師の診察を受けた場合は、糖尿病の初診日を腎臓疾患の初診日とします。
 
初診日が10年前でカルテが破棄されていたなら、初診日はどのように証明したらよいのでしょうか。平成27年9月前でしたら、ほぼ初診日を証明できずに障害年金の請求はあきらめざるを得ませんでした。しかし、平成27年9月より「初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱い」を日本年金機構から新たな取り組みが始まりました。
 
その一部をご紹介します。
 
 
 
 
 2番目以降に診療を受けた医療機関の医証
 
1) 資料解説
 
医証とは、診断書や受診状況等証明書など医療機関の証明がある書類のことで、日本年金機構が定める様式以外の診断書も医証に含まれます。
 
請求傷病の初診日の判定には、原則、初診時に受診した医療機関による初診日が明記された医証が必要ですが、法律で定める診療録の保存期間は5年であるため、5年以上前に受診した医療機関の医証は取得できない場合があります。
 
このため、2番目以降に受診した医療機関の医証に、初診日の手掛かりとなる記載がある場合は、これを初診日とできるか確認することになります。
 
2) 初診日を認めるポイン
 
・医証に記載された請求者申立ての初診日の記載根拠(診療録等)の作成時期が障害年金の請求日の5年以上前である場合、請求者申立ての初診日を認めることができます。
 
・医証に記載された請求者申立ての初診日の記載根拠(診療録等)の作成時期が障害年金の請求日の5年以上前でないが相当程度前である場合は、請求者の申立て以外の記録根拠とした参考資料との組合せ初診日が合理的に推定できる場合は、初診日を認めることができます。
 
・医証には、傷病の発情やその医療機関以前の受診(初診)についての日付や時期に関する事項が、当時のカルテ等に基づいて記載されています。医証の記載から確認できる初診に関する情報(日付、時期、診療内容や検査数値等)が、医学的に妥当であるかどうか確認してください。
 
3) 注意事項
 
・初診日について年月まで特定できるが、日が不明である場合は、当該月の月末を初診日とします。ただし、当該月内に異なる年金制度(国民年金と厚生年金など)に加入している場合については、当該月の月末を初診日とはしません。
 
・医証に「〇年頃」のように年までしか記載されていない場合は、当該医証のみで請求者申立ての初診日を認めることはできません。ただし、「〇年の春頃」のように季節まで記載されている場合は、以下の日付を初診日として認めることができます。
 
・冬 : 2月末日
 
・春 : 5月末日
 
・夏 : 8月末日
 
・秋 :11月末日
 
 
◇ 事例
(概 要)
請求 : 平成29年6月
請求傷病 : 慢性腎不全
申立て初診日 : 平成20年2月頃

(判 定)
2番目に受診した平成24年3月15日初診のA医療機関の受診状況等証明書に「H20年5月より他院へ通院」との記載があり、平成20年5月は全期間厚生年金保険の被保険者であるため、本人申立て(平成20年5月頃)を認め。月末の平成7年5月32日を初診日として認めた。

(ポイント)
医証から初診が年月まで特定できた事例です。
・「H20年5月より他院へ通院」との記載は、下記の➀、②により平成20年5月に受診(初診)があったと判断しています。
① A医療機関の初診日(平成24年3月15日)に本人が申し立てたものである(注)
② 記載根拠(診療録等)が障害年金請求日の5年以上前である
・平成20年月は全期間厚生年金保険の被保険者期間出るため、当該月の月末を初診日と認定します。

(注) 2番目の医療機関に転医(平成24年3月15日)に問診の際に「体が異常に疲れていたために平成20年5月頃A医療機関を初めて受診しました」と請求人が告知しました。 
 
◇ 紹介状(診療情報提供書)
 
1) 資料解説
 
転居により今まで受診していた医療機関を変更する場合や、別の医療機関においてより高度な医療機関を受ける場合などの際は、受信していた医療機関から紹介状や診療情報提供書が発行されます。
この場合、次に受診した医療機関に、前医からの紹介状や診療情報提供書が保管されている場合があります。
 
2) 初診日を認めるポイント
 
基本的には受診状況等証明書と同じお使いとなります。
 
3) 注意事項
 
・紹介状(診療情報提供書)を作成した医療機関よりも前に別の医療機関で受診している
ことが記載されている場合は、「2番目以降の医証(診断書、受診状況等証明書)」と同じ考え方で審査を行うことになります。
 
・どの医療機関がいつ記載したものかについて、明確に確認できる必要があります。
 
◇ 身体障害者手帳等
 
1) 資料解説
 
身体障害者手帳、精神障害者保険福祉手帳、療育手帳、交付年月日、障害等級、等級変更の履歴、傷病名(身体障害者手帳のみ)等が確認できます。更新前の手帳も参考になります。
 
2) 初診日を認めるポイント
 
交付年月日より前の日付が確認できる診察券や医療機関の受付簿等とセットで初診日を確
認するなど、他の資料との組合せで初診を確認することができます。
 
3) 注意事項
  
・取得可能な医証や紹介状の写し、身体障害者手帳等の申請時の診断書の写しなどから初診日が確認できない場合のみ審査の参考資料にしてください。
 
・20歳前に身体障害者手帳等が交付されている場合は、「20歳前の受診が確認できる場合」により初診日を判断します。
 
 
4) 事例
 
人工透析により身体障害者手帳等(交付日:平成25年11月24日)と傷病名のない泌尿器科クリニックの診察券(初診日:平成23年5月10日)の組合せにより、平成23年5月10日を初診日と認定した。
 
 ◇ 身体障害者手帳等のの申請時の診断書
 
1) 資料解説
身体障害者手帳等の交付を受けている場合、診断書等を提出した市区町村の障害福祉の窓口(障害福祉課・高齢障害福祉課など)にて「身体障害者手帳等の申請時の診断書」の写しの交付を受けることができる場合があります。
診断書に初診日の手掛かりとなる記載がある場合は、これを初診日とできるかどうか確認することになります。
 
2) 初診日を認めるポイント
 
基本的に受診状況等証明書と同じ扱いとなります。
 
3) 注意事項
・身体障害者手帳等の申請時の診断書を作成した医療機関以前に受診していたことが記載されている場合は、「2番目以降の医証(診断書、受診状況等証明書)」と同じ考え方で審査を行うことになります。
 
◆ 相当因果関係
個々のケースによりますが、前の疾病又は負傷がなかったならば、後の疾病が起こらなかったであろうと認められる場合は、相当因果関係ありと見て前後の傷病を同一傷病として取り扱います。ただし、通常、後の疾病には負傷は含まれません。
 
相当因果関係ありとして取り扱われる腎臓疾患に関するものとして、
 ①糖尿病と糖尿病性網膜症又は糖尿情勢腎症、糖尿病性壊死(糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉鎖症)は、相当因果関係ありとして取り扱います。
 
②糸球体腎炎(ネフローゼを含む)、多発性嚢胞腎、慢性腎炎に罹患し、その後、慢性腎不全を生じたものは、両者の期間が長いものであっても、相当因果関係ありとして取り扱います。
(受付・点検事務の手引き)

〇 相当因果関係のメリット
前発傷病が厚生年金加入中に糖尿病であったり糸球体腎炎で初診があり、退職し、国民年金加入中にその後症状が悪化したため病院へ行った。初診日は厚生年金加入中の前発傷病が初診日になります。
 
◆ 社会的治癒 
次に掲げるものに該当した場合は、医学的に治癒がしていなくとも社会的治癒と考えられ、前疾病とは別に新たに発症した疾病として取り扱われます。
 
1、症状が固定し医療を行う必要がなくなった
2、長期にわたり自覚的にも、他覚的にも病変や異常が見られない
3、一定期間、普通に生活または就労している
4、1~3までの状態がおおむね5年以上継続している
 
社会的治癒は年金法や厚生労働省の通達・通知等で根拠が認められたものではなく、社会保険の性格上「法理」として、社会保険の取扱い上の運用されています。
 
〇 社会的治癒のメリット
20歳前(厚生年金加入期間中を除きます)や国民年金加入に糸球体腎炎で医療機関を受診・治療をし、その後医療機関に行かずとも良くなり普通に就労している場合(終診から概ね5年間)その後慢性腎不全に進行した場合、初診日は厚生年金加入中の初診日を主張できます。
 
日本年金機構は上記の場合は国民年金加入中の初診日を採るケースが多いです。
相当因果関係・社会的治癒のメリットを生かすのには、病歴・就労状況等申立書に詳しく記載しましょう。主張しないと認めてくれません。
 
 
第12節/腎疾患による障害
腎疾患による障害の程度は、次により認定する。
 
認定基準
腎疾患による障害については、次のとおりである。
 
 1級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
 
 2級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
 
 3級
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
 
2、認定要領
(1)腎疾患による障害の認定の対象はそのほとんどが、慢性腎不全に対する認定である。
 慢性腎不全とは、慢性腎疾患によって腎機能障害が持続的に徐々に進行し、生体が正常に維持できなくなった状態をいう。
すべての腎疾患は、長期に経過すれば腎不全に至る可能性がある。腎疾患げ最も多いものは、糖尿病性腎症、慢性肝炎(ネフローゼ症候群を含む)、腎硬化症である。
他にも、多発性襄胞腎、急性進行性腎炎、腎孟腎炎、膠原病、アミロイドーシス等がある。
 
(2) 腎疾患の主要症状としては、悪心、嘔吐、食欲不振、頭痛等の自覚症状、浮腫、貧血、アシドーシス等の他覚所見がある。
 
(3) 検査としては、尿検査、血球算定検査、血液生化学(血清尿素窒素、血清クレアチニン、血清電解質等)、動脈血ガス分析、腎生検等がある。
 
 病態別に検査項目及び異様値の一部を示すと次のとおりである。
 
① 慢性腎不全
 区分 検査項目 単位 軽度以上 中程度以上 高度以上
 ア 内因性クレアチニンクリアランス ml/分
 20以上
30未満
 10以上
20未満
 10未満
 イ 血清クレアチニン mg/dl 3以上5未満 5以上8未満 8以上
 
(注) eGFR(推算糸球体濾過量)が記載されていれば、血清クレアチニンの異常に替えてeGFR(単位はml/分/1.73m二乗)が10以上20未満のときは軽度異常、10未満のときは中程度異常と取り扱うことも可能とする。
 
②ネフローゼ症候群
 区分 検査項目 単位 異常
 ア
 尿蛋白量
(1日尿蛋白量又は尿蛋白/
 尿クレアチニン比)
 g/月
 又は
 g/gCr
 3.5以上を持続する
 イ 血清アルブミン(BCG法) g/dl 3.0以上
 ウ 血清総蛋白 g/dl 6.0以上
 
(5) 腎疾患による障害の程度を一般状態区分表で示すと次のとおりである。
 
一般状態区分表
  一般状態
 ア 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
 イ
 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
例えば、軽い家事、事務など
 ウ 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
 エ 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
 オ 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベット周辺に限られるもの
 
(6) 各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
 
   障害の状態
  
1級   
前記(4)①の検査成績が高度異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
 2級
1.前記(4)①の検査成績が中程度又は高度の異常を1つ以上示すともので、かつ、一
般状態区分表のエ又はウに該当するもの
2.人工透析療法施行中のもの
 3級
1.前記(4)①の検査成績が軽度、中程度又は高度の異常を1つ以上示すもので、か
つ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
2.前記(4)②の検査成績のうちアが異常を示し、かつ、イ又はウのいずれかが異常を
示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
 
(7) 人工透析療法中のものについては、原則として次により取り扱う。
ア 人工透析療養中のものは2級と認定する。なお、主要症状、人工透析療法施行中の」検査成績、長期透析によろ合併症の有無とその程度、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。
 
イ 障害の程度を認定する時期は、人工透析療法を始めて受けた日から起算して3月を経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)とする。
 
(8) 検査成績は、その性質上変動しやすいものであるので、腎疾患の経過中において最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて認定を行うものとする。 
 
(9) 糸球体腎炎(ネフローゼ症候群を含む。)、腎硬化症、多発性襄胞腎、腎孟腎炎に罹患し、その後慢性腎不全を生じたものは、両者の期間が長いものであっても相当因果関係があるものと認められる。
 
(10) 腎疾患は、その原因疾患が多岐にわたり、それによって生じる臨床所見、検査所見もまた様々なので、前期(4)の検査成績によるほか、合併症の有無とその程度、他の一般検査及び特殊検査の検査成績成績、治療及び病状の経過等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して総合的に認定する。
  
(11) 腎臓移植の取扱い
ア 腎臓移植を受けたものに係る障害認定に当たっては、術後の症状、治療経過、検査成績及び予後等を十分に把握して総合的に認定する。
 
イ 障害年金を支給されている者が腎臓移植を受けた場合は、臓器が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の等級とする。
 
 障害等級の判断
 
  慢性腎不全 
検査成績    一般状態区分
 オ エ
高度異常が1つ以上  1級   2級2級又は3級    3級
中等度以上1つ以上   2級  2級2級又は3級  3級
軽度異常が1つ以上   3級  3級 3級  3級
 
 人工透析療養中のものは2級と認定されます。
 
 ネフローゼ症候群
検査成績一般状態区分
 ウ
尿蛋白異常値3級3級
血清アルブミンいずれかが異常値
血清総蛋白