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◆障害等級
障害の程度を認定する場合の基準となるものは、、国年令別表、厚年令別表第1及び厚年令別表第2に規定されていますが、その障害の状態の基本は、次の通りです。
 
1級
 
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものとする。この日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものである。
例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲はおおむねベット周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内にかぎられるものである。
 
2級
 
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度は、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである                    
 例えば、家庭の家庭内極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできない又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内での生活といえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。 
 
3級
 
労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。                                            また、「傷病が治らないものにあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限をを加えることを
必要とする程度のものとする。(「傷病が治らないもの」について、第3の第1章に定める障害手
当金に該当する程度の状態がある場合であって3級に該当する)
 
障害手当金
 
障害が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする

要約しますと次のようになります。

◇ 1級
・日常生活において、他人の介助を受けなければ自分のことができない程度。
・入院中であれば、活動の範囲がおおむねベットのまわりに限られるもの。
・家庭内であれば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるもの。
 
 ◇ 2級
・必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のものである。(注)
・入院中であれば、活動の範囲が病棟内に限られるもの。
・家庭内であれば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるもの。
 
◇ 3級
・就労はできるが、労働時間や労働内容に著しい制限を必要とする程度。
 
◇ 障害手当金
・3級と同じ程度のもので、傷病が治ったもの。
 
(注)就労については、障害認定基準に次のような記述があります。
現に仕事に従事している方については、労働に従事していることもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認した上で日常生活能力を判断すること。
(この記述は、精神障害の認定基準にありますが、厚生労働省においても障碍者の方の就労を援助する政策を推進していることから、障害認定基準全般に及ぶものです。)
 
 
 
◆障害手当金の対象とならない障害
1、内科的疾患については、障害認定基準において障害手当金は支給されません。
・内科的疾患については、臨床所見がある以上はまだ治癒していない状態であり、完全に治癒したとすれば、そもそも障害はないことになります。
・「治療の効果が期待できない状態になった場合」を特定するのが不可能であるからです。
 
◇内科的疾患とは次の疾患をいいます。
・呼吸器疾患(肺結核、じん肺、呼吸不全)
・循環器疾患(心疾患、高血圧症)
・腎.肝疾患、糖尿病による障害
・悪性新生物による障害
・ヒト免疫不全ウイルス感染症
その他の疾患
 
2、精神の障害
◇統合失調症.統合失調症型障害及び妄想性並びに気分(感情)障害、てんかん、知的障害、発達障害の場合は、障害手当金は支給されません。
◇気質的精神障害のばあいは、障害手当金があります。障害認定要領の例示では「認知症のため、労働が制限をうけるもの」となっています。