脳梗塞・脳内出血の後遺症・障害
 
脳梗塞・脳内出血は脳の血管が詰まってしまう、又は血管が破裂してしまうことによることで起こる症状です。脳は体の全てを統括している部分ですので、一度酸素が行き渡らなくなってしまう事で全身の様々な位、また身体全体に後遺症が出てしまうことが多くあります。
 
例えば、片麻痺(上肢・下肢)、完全麻痺(上肢・下肢)、視野狭窄・失明、認知症、言語障害、精神障害(高次脳機能障害)などの障害を残してしまう事もあります。
 
そこで長引く症状・障害に対して、障害年金を受給できるかを検討なされることをお勧めします。障害年金は、病名を対象として支給される訳ではありません。つまり、脳梗塞・脳内出血という病名に対してではなく、脳梗塞・脳内出血で身体の部位の障害にのために日常生活の困難さ・不便さを審査して、障害年金の支給の決定を行っております。
 
 

脳梗塞・脳内出血による障害年金

1、脳梗塞・脳内出血の後遺症として肢体の障害についての障害年金の請求タイミングは障害認定日から障害年金の請求が出来ます。
 
 障害認定日とは、障害の程度を定める日であり、障害の原因となった病気・けがの初診日から1年6ヵ月を経過した日、又は1年6ヵ月を経過しない間に治った日をいいます。
なお、「治った日」には症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含みます。  
 
「治った日」には症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。
とは、次の規定があります。 
 
 (障害認定基準・第9節神経系の障害)
神経系の障害により次の状態を呈している場合は、原則として初診日から起算して1年6月を経過した日以前であっても障害認定日として取り扱います.
(この項では、脳血管障害を挙げます。)
 
 脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から6月経過し以 後 に、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認めらたとき。                  
 
(注)初診日から6ヵ月経過後「医療機関等のリハビリ」を受けている場合、医師が診断書に症状固定」と記載しても脳血管障害による運動機能障害での6ヵ月経過以後の認定は難しくなっているのが実情です。但し、医師の指示のない任意のリハビリは、原則とおり、「症状固定」になります。
初診日より1年6月前の障害認定日の特例については弊所にお問い合わせください。
 
 ご自分の意思でリハビリ通所を利用している場合、「症状固定」と医師が診断したときは、初診日から6ヵ月経過をしていれば、1年6月を経過していなくとも障害年金を請求できす。初診日から6ヵ月経過をしていれば、「症状固定」になっているか主治医先生に確認なさってください。
 
(平成24年5月29日付)に係る照会
 
2、障害年金の請求のタイミングと支給月
障害認定日(初診日から1年6月経過日)までは請求年金扱い(請求した翌月から年金が支給される)ですから、6か月経過の時点で症状固定であった場合に、請求が初診日から6か月後にしたのであれば障害年金請求の翌月からしか年金が支給されません。
例えば、10か月目に請求をしたならば、10か月目の翌月からしか支給されません。
 
② 一方、障害認定日(初診日から1年6月経過日)から経過後の請求は、障害認定日に障害等級に該当していれば障害認定日まで遡及します。(特例認定日までは遡及しません。)
 
※ 障害認定日に障害等級に該当していれば症状固定は不要です。
 
 
初診日の特定における高血圧と相当因果関係について
脳梗塞、脳内出血に先行して高血圧の症状があります。健康診断等で高血圧の指摘を受け内科医を受診し、その後体調には違和感がないため薬の服用を止め医療機関から遠ざかり5年以上経過してある日、脳梗塞、脳内出血が発症することがあります。先ず、初診日を特定しなければなりません。
 
① 高血圧と脳梗塞、脳内出血との相当因果関係はありません。
医学的には、高血圧がトリガーになり脳血管疾患が発生します。しかし、高血圧は万病のもとであり、障害年金の手続きにおいては高血圧のために受診した日を初診とする必要はありません。脳梗塞または脳内出血で受診した日を初診日とします。
突然、脳梗塞または脳内出血を生じ緊急搬送された場合には、その日が初診日とな
ります(以前に脳梗塞または脳内出血で受診している場合を除きます。)。
 
② 一過性脳虚血発作、可逆性虚血性神経障害、高血圧性脳症が先行した場合には、
 合的に判断され、相当因果関係ありと認められればこれらの日を高血圧と脳梗塞、
 脳内出血の初診日と特定することができます。
 
 
 
障害年金の障害等級(障害認定基準)
 
上肢の障害     
 
 1級 
(機能障害)
両上肢の機能に著しい障害を有するもの(以下、「両上肢の用を全く廃したもの」という)
・両上肢の3大関節中それぞれ2関節以上の関節が全く用を廃したもの。
すなわち、次のいずれかに該当する程度のものをいう。
(ア) 不良肢位で強直しているもの
(イ) 関節の他可動域が、参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
(ウ) 筋力が著減又は消失しているもの
なお、認定に当たっては、一上肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定する。
 
2級
(機能障害)
「両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有すもの」すなわち「両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の用を全く廃したもの」とは、両上肢のおや指の用を全く廃した程度の障害があり、それに加えて、両上肢のひとさし指又は中指の用を全く廃した程度の障害があり、そのため両手とも指間に物をはさむことはできても、一指を他指に対立させて物をつまむことができない程度の障害をいう。
 
「一上肢の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「一上肢の用を全く廃したもの」
とは、一上肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が全く用を廃したもの、すなわち、次のいずれかに該当する程度のものをいう。
(ア) 不良肢位で強直しているもの。
(イ) 関節の他可動域域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの。
(ウ) 筋力が著減又は消失しているもの。
 
「一上肢の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「一上肢の用を全く廃したもの」
とは、一上肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が全く用を廃したもの、すなわち、次のいずれかに該当する程度のものをいう。
(ア) 不良肢位で強直しているもの。
(イ) 関節の他可動域域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの。
(ウ) 筋力が著減又は消失しているもの。
 
身体の機能の障害又は長期に渡る安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとは、両上肢の機能に相当程度の障害を残すもの(例えば、両上肢の3大関節中それぞれ1関節の他動可動域が参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの)をいう。
なお、認定に当たっては、一上肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定する。
     

3級
(機能障害)
一上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの。「関節の用を廃したもの」とは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の2分の1以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの(例えば、常時(起床より就寝まで)ではないが固定装置を必要とする程度の動揺関節)をいう。
 
障害手当金
(障害機能)
一上肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すものとは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の3分の2以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの(例えば、常時ではないが、固定装置を必要とする程度の動揺関節、習慣性脱臼)をいう。
 (注) 
関節に著しい機能障害がない場合であっても、関節に機能障害を残すもの(「関節の他動可動域が健側の他動可動域の5分の4以下に制限されたもの」又は 「これと同程度の障害を残すもの(例えば、固定装置を必要としない程度の動作関節、習慣性脱臼)をいう。
 
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すものとは、一上肢に機能障害を残すもの(例えば、一上肢の3大関節中1関節の筋力が半減しているもの)をいう。
 
 
前腕の他動可動域が健側の他可動域の4分の1以下に制限されたものは、上記と同程度の障害を残すもの(第2章「併合等認定基準(併合判定参考表の10号)」)とする。 
 
 
日常生活における動作は、おおむね次のとおりである。
(ア) さじで食事をする。
(イ) 顔を顔を洗う (顔に手のひらをつける)
(ウ) 用便処置をする (ズボンのところに手をやる)
(エ) 用便処置をする (尻のところに手をやる)
(オ) 上衣の着脱 (カブリシャツを着て脱ぐ)
(カ) 上衣の着脱 (ワイシャツを着てボタンをとめる)

関節可動域の測定方法、関節の運動及び関節可動域等の評価
測定方法については、障害認定基準・別紙「肢体の障害関係の測定方法」による。
 
ア 関節の運動に関する評価については、各関節の主要な運動を重視し、他の運動につい
て参考とする。
   
 各関節の主要な運動は次のとおりである。
 部  位
 主要な運動
 肩 関 節
 屈 曲 ・ 外 転 
  肘 関 節 
 屈 曲 ・ 伸 展 
 手 関 節
 背 屈 ・ 掌 屈 
  前   腕 
回 内 ・ 回 外
  手   指 
  屈 曲   ・ 伸 展  
 
イ 関節可動域の評価は、原則として、健側の関節可動域と比較して患者の障害をの程度を評価する。
ただし、両側に障害を有する場合にあっては、障害認定基準・別紙「肢体の障害関係の測定法」による参考可動域を参考とする。

ウ 各関節の評価に当たっては、単に関節可動域のみでなく、次の諸点を考慮した上で評価す
る。
(ア)筋力 (イ)巧緻性 (ウ)速さ (エ)耐久性
なお、他動可動域による評価が適切でないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を稼働させる筋が弛緩性の麻痺となているもの)については、上記諸点を考慮し、日常生活における動作の状態から上肢の障害を総合的に認定する。