不服申立て(審査請求・再審査請求)
弊所では、審査請求、再審査請求は弊所での裁定請求のご依頼があった案件のみのお取り扱いにさせていただきます。ご自分で行なった、または、他所で行なった裁定請求の案件はおとり扱いしません。
◇ 行政処分
・行政が行った決定のことを行政処分といいます。 障害年金に係る行政処分には次のものがあります。
1、裁定請求に関する行政処分
支給決定処分 | 裁定請求に対し障害年金の支給を決定する処分。 支給決定処分に対する不服は「障害等級」となることが通常です。 |
不支給処分 | ・不支給処分のほとんどが、「障害等級非該当」です。 ・初診日認定の結果、保険料納付要件を満たさないための不支給。 ・不服は事案により、「初診日」・「相当因果関係」・「障害等級」の全部または一部となります。 |
却下処分 | 初診日の特定が不能な場合や障害状態を判断するための診断書が不十分である場合などに行われる処分で、不服は「初診日」や「障害等級」となることが通常です。 |
2、額改定請求に関する行政処分
増額改定処分 | 改定請求の結果、上位等級に認定される処分。想定される不服は、3級 から2級に改定されたものが「1級のはずである」という場合です。 |
等級据置処分 | 改定請求の結果、上位等級への改定が認められなかった場合の処分。 額改定請求の決定から将来に向けて1年間は額改定請求ができない。 障害について、障害等級に対する決定を不服として審査請求をすることとなります(注)。 |
却下処分 | 改定請求ができる要件を欠くと保険者が判断した場合などに行われる処分であり、特殊な事案である可能性が高いが、審査請求の対象にはなり得ます。不服の内容は事案によります。 |
(注)支給停止事由消滅届は額改定請求ではないため、額改定請求のような1年制限はないです。等級据置処分に対しては審査請求または再度の支給停止消滅届のいずれかを
検討することになります。
3、障害状態確認届に関する行政処分(差止めを除く)
等級変更処分(増額額)または 支給停止処分 | 増額改定が不服となるケースは額改定と同様です。 減額改定や支給停止処分については、障害等級が不服の内容となります。 等級変更があった場合、将来に向かって1年間は額改定請求が制限されます。 支給停止消滅は1年間待たずに行うことができます。 審査請求をするかどうかは事案ごとに判断を要します。 |
◆(再)審査請求の対象とならないもの
一般的な事項 | ①処分(決定)の行われていないもの ②陳情、要請(要望)に関するもの ③不明点についての回答や調査を求めるもの ④現行の法律や政令・省令等に対する不服 ⑤保険者の対応(説明の誤り、説明不足を含む)への不服 ⑥保険者の不作為によるもの |
障害年金 | ①次回診断書の提出年月に関すること ②障害給付に係る診断書の記載内容に対する不服 ③障害状態確認届による等級変更がないことに対する不服 ④遡及請求における現症診断書の確認結果が障害認定日時点の障害等級と同じであることに対する不服 |
約50年ぶりの行政不服審査法の改正に伴い、平成28年4月1日に「社会保険審査官および社会保険審査会法」が改正・施行になりました。
審査請求・再審査請求の流れ |
申立てることができる期限がありますので気を付けましょう。1日でも遅れますと棄却となります。
◆ 審査請求
処分があったことを知った日の翌日から起算して3ヶ月以内
◆ 再審査請求
決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2ヶ月以内
1、厚生労働大臣(日本年金機構)の処分 <支給処分・不支給処分・却下処分> |
2、管轄の社会保険審査官(地方厚生局)へ審査請求書を提出 |
3、原処分の回答は、<処分変更>➡4 または <原処分の通り>➡5 |
4、処分変更により審査請求人の主張が認められることになるので審査請求は取り下げ ➡8 |
5、社会保険審査官が請求審査の内容に対て最終的な決定<決定書>で通知 ➡6、7 |
6、容認(主張を認める)決定 |
7、棄却(主張を認めない)決定 |
8、日本年金機構にて訂正処理 <等級変更、支給処分等> |
決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2ヶ月以内
または
社会保険審査官の決定後訴訟へ移行できる➡13
9、社会保険審査会(厚生労働省)へ再審査請求書を提出 |
10、書面審理、公開審査(審査日が通知される)、資料収集等により裁決➡11、12 |
11、容認(主張を認める)裁決➡8 |
12、棄却(主張を認めない)裁決➡13 |
13、処分取り消しの訴え(地方裁判所)を提起 |
◆提起できる期間は処分又は裁決があったことを知った日から6ヶ月以内です。
◆処分又は裁決の日から1年を経過したときは、提起をすることができません。
ただし、正当な理由があるときは、この限りではないです。