20歳前障害基礎年金
1、20歳前障害基礎年金とは、
初診日において20歳未満であった方が20歳に達しった日(障害認定日が20歳に達した日以降の場合は障害認定日)において、障害等級2級以上に該当する場合に請求することをいいます。(本来支給の20歳前障害基礎年金)
・用意する診断書は、障害認定日前後3ヶ月以内に作成された診断書1枚です。
・年金の支給開始月は、障害認定日の翌月です。
(注)20歳時点で医療機関に受診していなく、診断書(20歳前後の3ヶ月以内)を提出でない場合どうすればよいでしょうか。
➡20歳時点の心身の状態が診断書以外で証明ができ、障害等級2級以上に該当すれば20歳前障害基礎年金を請求できます。具体的には次の場合です。
① 身体障害者手帳の申請時の診断書の控え等(都道府県で保管されている場合ももあります。
② 特別児童扶養手当を受けていた場合には、特別児童扶養手当の障害等級を障害年金の障害等級とみなされます。
2、事後重症による20歳前障害基礎年金
初診日において20歳未満であった方が20歳に達した日(障害認定日が20歳に達した日以降の場合は障害認定日)以降に、障害等級2級以上に該当する場合に請求することをいいます。
・用意する診断書は、請求時以前3ヶ月以内に作成された診断書1枚です。
・年金の支給開始月は、請求月の翌月です。早めに請求しましょう。
・障害認定日時点の診断書を取得できなかった場合も含まれます。
・65歳に達する日の前日までの間に該当するに至った場合は、事後重症による請求ができす。
3、知的障害(精神遅滞)の初診日
① 知的障害(精神遅滞)とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)に現れ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものをいいます。
② 先天性の知的障害(精神遅滞)であれば、出生日が初診日となります。初診日を証明する受診状況等証明書は不要です。
③ 頭部外傷や高熱などが原因で知的障害(精神遅滞)となった場合は、初めて医療機関を受診した日が初診日となります。受診状況等証明書は必要になってきます。
4、発達障害(自閉症スペクトラム、注意欠陥多動性障害等)
療育手帳発行の有無に関係なく、初めて診療を受けた日となります。
5、先天性股関節脱臼
① 完全脱臼したまま生育した場合は、出生日が初診日となります。受診状況等証明書は必要になってきます。
② 完全脱臼でなく生育した場合、青年期以降になって変形性股関節症が発症した場合は発症後に初めて診療を受けた日が初診日となります。
6、20歳前傷病に係る障害基礎年金における初診日証明の手続きの簡素化
① 2番目以降に受診した医療機関の受診日が、18歳6ヵ月前である場合
(例)A医療機関5歳(初診日)、B医療機関18歳6ヵ月の場合
B医療機関の受診状況等証明書だけOKです。
② 初診日が18歳6ヵ月後であり場合
従来通り、18歳6ヵ月後から20歳前の初診日の受診状況等証明書が必要になります。
7、令和2年10月1日から、20歳前に初診日があり、次の①または②に該当する場合は、病歴・就労状況等申立書の記載を簡略できることになりました。
① 生来性の知的障害(精神遅滞)
生来性の知的障害(精神遅滞)の場合は、同じ症状が長く継続することが見込まれるため、出生時から現在までの状況について、特に大きな変更があった場合を中心に1つの欄にまとめて病歴・就労状況等申立書に記入できます。
② 初診日証明手続きの簡素化を行った場合
初診日証明手続きの簡素化を行った場合は、初診日が2お菜前にあることが明らかであるため、発病から当該医療機関の受診日までの状況を、1つの欄にまとめて病歴・就労状況等申立書に記入することができます。
8、保険料納付要件は問われません。
9、所得制限について
20歳前障害基礎年金は、年金制度加入前で保険料納付のないことから、20歳前障害基礎年金の受給権者の前年の所得が下記の限度額を超えるとき、その年の8月から翌年7月まで一部または全部が支給停止されます。
支給停止基準 | 所得限度額 | |
全額支給停止 | 扶養家族なし 老人扶養親族一人あたり ※1 特定扶養親族一人あたり ※2 上記に該当しない扶養親族一人あたり | 4,621,000円 +480,000円 +630,000円 +380,000円 |
一部支給停止 | 扶養家族なし 老人扶養親族一人あたり ※1 特定扶養親族一人あたり ※2 上記に該当しない扶養親族一人あたり | 3,604,000円 +480,000円 +630,000円 +380,000円 |
※2 16歳以上23歳未満
(年齢は前年の12月31日時点の年齢です)
(注) 所得にについて、給与所得の場合には給与総額から給与所得控除額及び所得控除(障害者控除の適用を受けていれば最低でも48万円+その他の所得控除)を差し引いた後の課税所得です。源泉徴収票を確認してください。また、毎年一度、市町村 から送付されてくる税の徴収上の「課税所得」です。
課税所得=給与総額―給与所得控除額―所得控除