線維筋痛症
 
 線維筋痛症とは、原因不明であらゆる検査でもほとんど異常が認められず、全身の強い痛み(疼痛)を主症状とし、精神神経症状(不眠やうつ病など)、自律神経の症状(過敏性腸症候群など)を福症状とする疾患であり、長期間にわたる強い痛み(疼痛)のためQOL(生活の質)が著しく低下します
 
線維筋痛症の障害状態について診断書(肢体の障害用 様式第120号の3)を作する際には、診断書⑨「現在までの治療の内容、期間、経過、その他参考となる事項」欄に、次の表の重症度分類試案のステージのいずれかに該当しているか記載して頂きますよう主治医先生にお願いします。
 
線維筋痛症の重症度分類
ステージⅠ
米国リウマチ学会診断基準の18カ所以上で痛みがあるが、日常生活に
重大な影響を及ばさない。
ステージⅡ
手足の指など末端部に痛みが広がり、不眠、不安感、うつ状態が続く。
日常生活が困難。
ステージⅢ
激しい痛みが持続し、爪や髪への刺激、温度・湿度変化など軽微な刺激
で激しい痛みが全体に広がる。自分での生活は困難。
ステージⅣ 
痛みのため自力で体を動かせず、ほとんど寝たきりの状態に陥る。自分
の体重による痛みで、長時間同じ姿勢で寝たり座ったりできない。
ステージ
 
激しい全身の痛みとともに、膀胱や直腸の障害、口の渇き、目の乾燥、
尿路感染など全身に症状が出る。普通の日常生活は不可能。
 
 
 18カ所の圧痛点
 ① 後頭部 両側後頭下筋の腱付着部
 ② 下部顎椎 第5~7頸椎間の前方
 ③ 僧帽筋 上縁の中央部
 ④ 棘上筋 起始部、内縁に近いところで肩甲骨棘部の上
 ⑤ 第二肋骨 第二肋骨一助軟骨結合部、結合部のすぐ外側
 ⑥ 外側上顆 上顆から7~8㎝遠位、3~4cm内側
 ⑦ 腎部 腎部の4半上外川部
 ⑧ 大転子 転子突起の後部
 ⑨ 膝   内側や上部のふっくらした部分
 ⑩ 大腿四頭筋外側部 ほとんど全例で圧痛を認める(西岡ら)
 ※ 米国リウマチ学会の診断基準と特徴的な圧痛点
 1、3カ月以上続く上半身、下半身を含めた対側性の広範囲の疼痛と頚部、前胸部のいずれかの疼痛、
   いわゆるaxial skeletal painが存在。
  2、全身18カ所の圧痛点のうち11カ所以上に圧痛が存在する。